Poem in Japanese
隠者とオオカミ
ある隠者が砂上に線を引きこう言った、
「この線を越えてはならんよ」。
続けて隠者は円を描き、こう述べた、
「この円から出てはいかん。
円を横断するのはいいが、その線を越えてはいかんよ」。
それから大嵐がやって来て、線が消えてしまった。
円にたたずんでいたのは一匹のオオカミ。
冷たい雨でオオカミはくたくたになっていたが、動こうとはしなかった。
オオカミはただ、その線がまだ存在しているのかどうかがわからなかった。
線はとっくに、砂上から消えているのに。
Translated into Japanese by Hiroyuki Nagao